恋愛は最初の頃のままではいられない
コンビニのアルバイトで知り合った彼。付き合いだして、しだいにお互いの存在に慣れていくと、それまでのように楽しいことばかりでも無くなって行きました。
彼は、それまで以上に遊びに夢中になっていき、学業を優先させたがる私とは正反対でした。ギャンブルが特に好きなようで、自分の大学には行かなくても隣町のパチンコ屋さんには行く、というような日々が増えてきました。
私が自分の大学の講義に出かけようとすると、彼はそれを阻止したがるようなそぶりも見せ始めました。学校側の都合などで講義が取りやめになると、異様にはしゃいで喜んで見せました。
それでも一年目は、私は予定通り単位を取り進級しました。一方で彼は、たったの一つの単位しかとれていませんでした。彼は事実上の留年であり、しかもこれが一度目ではないことを知った私は、次の年にはなんとか彼のサポートをしようと頑張り始めてしまいました。実際、他人の人生を背負う事なんて出来はしないのですが、そこは若さゆえの無知と熱心さで、やり始めてしまったのです。
彼の手伝いをし始めたころから、それまでとは違った形に恋愛関係が変容していきました。彼の世話を私がするのは当たり前で、むしろ彼の生活に出る不都合は、私の責任であるという風に、彼がふるまい始めたのです。それまでのように、男女が向かい合って、お互いを大切にする姿はありませんでした。手を取り合って、並んで道を進む代わりに、彼が先に立って進み、その後を私が片づけながらついていくという形になったのです。
当然不満も募りましたが、話し合いをすることもできなくなっていきました。私が彼の意見を否定すると、彼は激高してあたりの物に八つ当たりを始めるのです。それは次第にエスカレートしていき、ギャンブルに勝てないのも、彼が大学の授業に行かないのも、全て私の責任になっていきました。そんな時には、叩かれたり引きずりまわされたりします。私物は捨てられるか売られるかして、どんどん無くなって行きました。
私は、暴力に対する恐怖感と、そんな子供じみたふるまいをする彼への憐れみで、自分自身を縛りあげてしまっていたように思います。